Title: モノ語り/第三十九回「英国モノ」

同じような天気が続きますねえ。
気温も去年の今頃に比べると最高で3.3度、最低で4度近い温度差があるようです。
暑いですよねえ。
そうなると冬は逆に寒そう。

夏はスニーカーかサンダル。
冬はブーツ。
僕の足下は大体そんな感じです。

今回はそんなブーツの話です。
今シーズンのWTAPSのコレクションでは、
ドクターマーチンとコラボレーションを行なっています。
アイテムは僕のワードローブでもある定番のレースアップブーツです。

見るところ一見なんの変哲もない8ホールですが、アンドリューとDMジャパンの協力により
かなりマニアックに仕上がりました。
ラストはビンテージモデルの1460モデルを使用し、オックスブラッドとブラックの2色展開。
つま先が反り上がりすぎず、フラットになりすぎないシルエットは
無骨すぎないスマートな印象です。
10ホールには無い履き口のバインディング色はブラウン、
ウェルト部分(ミッドソール)はビンテージブラウン、
ウェルトステッチは通常のイエローシングルステッチをブラックのチェインステッチに、
内装にはベージュのレザーで総裏仕様。
シューレースはオックスブラッドにはブラウンをチョイス。
ドクターマーチンの顔でもあるプルタブはオックスブラッドのみブラウンベースのものに変更。
最後に何よりも、靴の名産地ともいわれるイギリスはノーサンプトンに
60年代からあるドクターマーチンの最初で最古の工場にて制作してもらったことです。
店頭に並ぶのはちょっと先の10月下旬です。
そんなマニアック仕様を是非ご覧下さい。

僕にとっては初の8ホール。
10ホールに比べたら履き易いし
ショーツとの相性も良さそうです。
先日撮影を行なったばかりの9.24発売、COOLのWTAPS特集内に
僕の着用で掲載されています。
そちらも是非。


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Tetsu Nishiyama/Designer

Title: 現場主義

いろいろな現場に足を運ぶことがあります。
ひとつは「売場」。
いわゆる僕がディレクションをつとめる販売店です。
そこは僕らが生産したコレクションのアイテムが
最終的にお客さんの手に渡るリアルな現場です。

もうひとつは「工場」。
そこは僕らのデザインした設計図を元に洋服を組み上げる作業場です。
実際の手作業が行われる重要な現場であり
クオリティが左右するシビアな現場です。

それら2つの異なる現場には僕らのようなデザイナーに大きく影響させる、
いわばインスピレーションがあると思っています。

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Tetsu Nishiyama/Designer

Title: Feels So Good.

今日は天気がよかった朝でしたから
公園を歩いてきました。

そしたら気分がよかったものですから
天気への感謝の気持ちで空と緑の写真を撮りました。

アトリエについて写真を取り込んでみたら
きれいな空でしたから
みなさんに見てもらおうと思ってブログにのせました。

よい週末を!


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Tetsu Nishiyama/Designer

Title: モノ語り/第三十八回「Chester Jacket」其の二

前回の続きです。


「次回こそ決めてみせる」と思うわけですが、
そんなときに下の写真を見せることで気の変わりやすい若者も納得です。

ブラックスーツでブルースブラザーズのエルウッドとジェイクの
右に出るものはいません。完璧に個性が出ています。
これぞお手本です。

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と考えてはいけません。
不良的着こなしの
エルウッドとジェイクはあくまでもイメージの中だけにして、
キメるところはビシっといかなければなりません。

キメルところを「ツボ」という言葉に置き換えます。

つまり「ツボ」を踏まえないと「ヤボ」だということです。
「ツボ」を踏まえなければ、
ただのブルースブラザーズのコスプレになってしまいます。
それは目的ではないので「ヤボ」です。

上の写真をもう一度良くご覧下さい。
唯一の「ツボ」が伺えるはずです。
一番の「ツボ」は体のラインに合っているところです。
サイズはもちろん。
スーツに着られるか、スーツを着こなすかの境目が重要です。
どのような体型が似合う、似合わないではありません。
ブルースブラザーズのスーツがクールに見えるのは
正装するそのキャラクターとのギャップはもちろん、
それぞれのサイズだと考えます。

元は注文服として生まれたスーツのようですが、
現代では大概がオーダーではないレディメイドのスーツが通常です。
どんなものでもそうですが、自分のものにしてゆくには
まず最初に自分を知ることが一番の近道です。
スーツに関していえば体型です。
物理的に着用できればあとは調整です。
市販されるどの服がそうであるように、
同じものを着ていても個々の体型によって差が出るのは当然です。
ただ、スーツの場合はラインがはっきりしている事で短所が目立ちやすくなります。

だから単純に目立った短所に手を加えれば良いわけです。
なんてことはない一番重要な「ツボ」はサイズではないかと思うのです。

あえて上げるもうひとつの「ツボ」は
制服のような洋服から個性を引き立すための遊びです。
ラペルの形状や幅が太いか細いか、
Vゾーンは深いか浅いか、
カットアウェイはあるか、ないか、
ベンツはどこにあるか、ないか、
生地の切り替えがあるか、ないか、
内装が粋かどうか?(ポケット数、裏地)
それらの箇所を見てみると、そのスーツの文化的背景が見えてくるのです。

さて
前おきが長くなりましたが、
今期コレクションのスーツ「Chester」です。
細身のシルエットが定番のWTAPSのスーツですが今期はややドレッシー。
ボトムは写っていませんがジャケットに同じく
清涼感ある綿60%麻40%の生地を使用した細身のタイプがセットアップになります。
ジャケットの特徴であるピークドラペルは通常
直線的なラインが緊張感漂い由緒正しいイメージを連想するものですが、
WTAPSでは物腰落ち着いた印象を出すためにあえて
若干緩やかなラインを描いています。
浅すぎず深すぎないシングルブレステッド。
2つボタンはトップのボタンをかけたときにラペルがきれいに反り返るように配置。
袖口は本切切羽で本格使用。

遊びはインスパイアされた英国サブカル的背景を表すように
ポケットフラップはベルベットで切り替え、
チェンジポケットや両サイドに配したベンツ、
広く形どったカットアウェイに
内装にはいくつかのポケットとペンホルダーを装着等々
盛りだくさんで楽しいのですが、
やはり先に書いたようにサイズが命です。
肝心なのは立ち位置のときに美しいラインで僕ら男を引き立ててくれるのが
スーツなのです。


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Tetsu Nishiyama/Designer

Title: モノ語り/第三十八回「Chester Jacket」其の一

子供のときからずーっと思ってきたことがあります。

「スーツってなんだ?」です。

僕は最近までスーツに対して何の魅力も感じた事はありませんでした。
同じようにそう思われている方も少なくはないと思います。

自らをアピールするに常に魅力的なカジュアルウェアがある今、
スタイル(個性)を出したい若者たちにとって、
一見、無味無臭なスーツは単なる制服のようにしか感じず
興味の対象外です。

だから僕も何が良くて
どこがカッコいいのか?
全くポイントがつかめてなかったわけですが、
それは仕方がありません。

僕らの時代はスーツといえば「どこそこの」
というDCブランド世代です。
ブランドが「これはナウですから大丈夫です」という
安心をスーツとともに売っていたような時代です。
長い歴史を持つスーツ道には「いまさら聞けないオーラ」も漂います。
それらが相まって、何が良くてどこがカッコいいのかは
聞くこともなければ言われることもないのです。
だからスーツをセレクトするからには
「それは後ろ指さされるかもよ」という不安が
常につきまとっていたことも無きにしもあらずでした。


カジュアルウェアの世界ではそれはありません。
別にいいわけです。
どんな着崩れていようがそれはひとつのスタイル(個性)であって、
自分のなかのトレンドとしてあるわけですから不安は一切ありません。
「これが私のやり方です」です。

ただ、
固く伝統に守られてきた王道のファッションである
スーツはそうはいきません。
許されません。
セオリーを知った人たちからダメ出しを食らいます。

しかし次世代を担うヤングに対し、
何が良いか、どこがクールかを伝えてあげることができなければ、
世界最高峰の生地を使った名だたる最高級ブランド品であっても、
カジュアルを苦手とするスーツ一辺倒のおっさんが
どれだけのウンチクたれたところで若者からの支持は得ることをできず、
結局ジェネレーションによる決別です。

そんなことですから僕自身、未だにどこが良いかを聞けていませんし
なにをクールとしているかのポイントがさっぱり分かりません。
しかし、
必ずや必要に迫られて着なければならない時がやって来ます。
そんなときには普段のスタイル通りにアピールするわけにはいきません。
さすがのヤングも怖じ気づき、結局無難なリクルートスーツで決めてみるものの
その他大勢に馴染んでしまい、日頃からアピールをしてこれたことを思えば
納得が行かないでしょう。

けれどその悔しさは初めて興味の対象に近づくきっかけです。

そして「次はキメてみせる」です。

次回こそはのリベンジです。

其の二につづく。


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